人は 何かうまくいかなかったり失敗したりすると
そのことに苦手意識を持ちます。
そして過去 そのことを責められたりすると 自分はこれはダメだ できない と
苦手意識をインプットしてしまいます。
この思い込みはあなたに無駄にブレーキをかけてしまいます。
すぐに上手にできなかったら それは本当にあなたに向いていないことなのでしょうか?
私は若い頃からずっと美術を学び、美大を出て美術関係のお仕事をしてきました。
そして福岡に来て以降15年ほど前から 絵を教える仕事をしていますが、
本当に絵が上手になる方というのは 最初から上手かどうかは関係ないように思いました。
確かに手先が器用かそうでないかは表現に違いが出てきます。最初に器用かそうでないかは個人差があります。
手先の感覚が精密であればあるほど、繊細な表現ができます。
でも、表現は繊細なものばかり というわけではありません。
勢いや荒々しさの表現に 繊細さは邪魔になることもあります。
思ったイメージを思った通りに表現するには、素材(絵だと絵具のこと)を知らねば扱えません。
筆なら 筆の使い方を手が覚えてくれなければ筆を扱えません。
小さな子が最初からお箸を上手に持てないように
筆も最初からは上手に扱えません。
何度も繰り返し触り、素材に馴染んで素材の質感をフィーリングで掴んで 初めて自分の思う表現が可能になります。
小難しく言っちゃいけませんねw 要は慣れることが重要だ ということです。
練習段階で落ち込む人は 理想が高すぎることが多いです。
プロのような仕上がりをイメージしても それはすぐできてしまったら
プロがプロである必然性がなくなってしまいますね(笑)
ピカソのお父さんは息子が自分の絵を手直ししているのを見て
絵描きを続けることをやめたそうですが
そんなことは何十億人に一人の天才の話です。
絵の教室で 最初はおぼつかない筆使いだったのに
ずっと通い続けるうちに 素晴らしい作品を作り出すようになられるのです。
筆使いだけではありません。色使いもです。
細かいことは苦手なんですと言いながら、素晴らしい色彩を繰り広げてくださる。
見せてもらう私はとっても幸せな気持ちになります。
苦手意識は本当に邪魔にしかならないのです。
絵を描くことも人生を生きることも 共通しているのは
自分を封じるものが少ないほど 可能性と豊かさが拡がる ということです。
そして 本当に突き詰めて専門を追及する時
研ぎ澄まされ、要らないものが落ちてゆきます。
何かを極める というのは 欲を捨て 1点を見据えることかもしれません。
その時 あなたはワクワクされることでしょう。
それこそがあなたの得意分野です。
人生も絵を描くことも 他の何かをするときも
いつも楽しんで取り組まれてください。
苦手と引かないで 経験を楽しまれてください。
しているうちに上手になるのです。
人生も生きているうちにこなれてまろやかになっていきます。
欲張らないで手放してみてください。